築60年以上経つ、住宅の改装事例。
既存住宅では、面積も小さく天井高も低い居室で分かれており、彩光も入りにくい空間であったため、各壁面と床、天井の一部を解体し、平面的・立体的にも一体として使用できる空間となるような改装計画とした。
木造の軸組みの中に、一階をキッチン・ダイニング、二階を寝室の要素をもつ断面的に空間を横断するボックス。洗面・浴室の要素を持ったボックスの2種類の空間を挿入。ボックス部分は、構造的補強、断熱などの機能的な役割を担っている。また既存空間と新設のボックスの間に隙間を設けることで、回遊できる廊下や収納部分として機能するように配置を行なった。ボックスの一階部分の開口からニ階へ繋がる階段を設け、新旧の空間を立体的に繋げるような構成となっている。ボックス状の空間は吹き抜け部分に面しているため、開口部からの彩光を反射し、空間全体に光がまわるようにシルバー塗装の仕上げとした。
改装時に使用した新規の仕上げ材としては、既存の建具や土壁など基本的に当時の時間経過が表れている素材を使用しつつ、ボックス部分のシルバー塗装や玄関スペースの亜鉛メッキの建具・エキスパンドメタルの壁面など、既存との対比が生まれる素材の選定を行なっていった。